コペンハーゲン研修旅行③(2日目)

二日目 ベルトーン本社へ

世界に補聴器メーカーは20数社あると言われていますが、開発系統で括ると大きく5つに分かれます。

弊社の取引先であるベルトーン社はアメリカを中心に補聴器シェアを獲得し、世界中に浸透してますが、系統でいうとデンマークのGNグループに分類されます。(他にReSound、Intertonなど)

したがってベルトーン社のヨーロッパ本社も、広大なGNグループの敷地内にあります。GNグループのオフィスは、コペンハーゲンからバスで1時間弱の郊外にあり、道中のどかな風景が続きます。

セミナーの中では、デンマーク人の考え方や、社会の成り立ちを聞かせていただきました。
デンマークは、「ヒュッゲ」という考え方、思念が社会に浸透したおり、その概念を正確に外国語に翻訳するのは難しいのですが、日本語では「居心地が良い空間」や「楽しい時間」などと表される事が多いようです。

「幸せに生きる」ということをとても重要視している社会で、社会福祉が非常に重要視されていることは有名です。
給与の65%が税金だが、教育は大学の博士号まで無料。
家賃等も学生のうちは政府が負担。また、失職したりしてる期間も政府から補助が与えられます。
男女平等も普通であり、デンマーク議会や、社会のトップ、管理職も半数は女性であり、ベルトーン社もCEOは女性です。そして各部門のボスも女性が多いのだそうです。
女性は妊娠すると、政府から一年分の給与が支給されるため、安心して子どもを産み育てる事ができます。
文化的に会社の予定に家庭の予定を入れる事も普通だったり、仕事よりも家庭が最優先の社会で、次世代の子供を育みやすくなっています。

自分の意見を主張することが大切と考えられており、教育の過程でも常に自分の考えを述べることが求められます。昨夜のディナーでも、ベルトーン社の責任者たちと沢山お話をさせてもらいましたが、彼女たちも「マイオピニオン」(私の意見では、)と前置きをおくことが多く、私も影響され自分の意見を率直に話しをさせて貰いました。

昼からは、ベルトーンの新しい補聴器、アチーブについての研修会が行われました。
アチーブは、難聴者が最も困っているであろう騒音下での聞き取りを解決するためにベルトーン社がそれまで培ったテクノロジーの全てを注いで開発発表した最新の補聴器です。

従来の補聴器より150%聞き取りが上昇したという実験データが出ており、ベルトーン社をあげて自信を持って顧客に紹介出来る補聴器となっていると、ベルトーン社の各部門の責任者達がいきいきとお話ししてくださったのが印象的でした。

英語は分かりませんが、補聴器の事は専門分野!というとこで、お話しの内容も非常に理解出来て面白かったです。
ここで得た知識をエンドユーザであるお客様に還元出来るのが楽しみです。

アチーブの誇るウルトラフォーカス2を利用した補聴器の装用体験も行いました。
またGN社のCEOからの歓迎のご挨拶をいただきました。
CEOのGitte Paugholm Aaboさんも女性です。

その後、写真はNGなのでありませんが、研究室にもお邪魔しました。

そこでは、あらゆる環境下で補聴器の実験テストが行えるような設備が揃っていました。
無音室や、逆の音響室、風の音の実験室や、車での装用テストも出来るように実際の車まで研究室の中にはあるのには驚きました。

ベルトーン本社は、周囲を広大な森に囲まれていて、湖もあり鳥のさえずりが聞こえるとても美しい場所でした。アテンドをしてくださったアレクサンドラさんから、「仕事に行き詰まると、外に出て湖のほとりでパソコンを開くこともある」と伺いました。
また、森を散歩しながら会議を行うことも良くあるそうです。
歩きながら話すと、思考がクリアになってとても良いアイデアが出るとのこと。
日本ではなかなか無い仕事の習慣だと思います。
3000人の従業員が働いているとの事ですが、在宅勤務の人も多いそうです。
アレクサンドラさんも、普段は出社は週二回ほどなのだそうです。

少しの時間ですが、お土産を購入するためにスーパーに寄りました。
外国のスーパーはその国の普段の生活が垣間見えて楽しいですね。

デンマーククローネ表示なのでピンときませんが、物価は日本より高めです。

夜は、Sushiディナーでした。

お米が恋しくなってる人も多かったので皆さん喜んでいました!
日本の寿司とは違うのですが、カラフルでとても美味しかったです。

ちなみに、とっくりに入っているのは日本酒ではなく、醤油です!
普段はお寿司には日本酒を合わせるものですから、間違えて飲まないように注意が必要でした…笑

ここの屋上テラスからの眺めが素晴らしかったです。
この明るさで、22時くらい!
日本の夕暮れ時というより、夜明け前のような空の色でした。

明日はコペンハーゲン最終日!

実際に補聴器の心臓部であるマイクロチップを製造する工場を見学する予定です。

またレポートします!

     延岡補聴器センター 佐藤 留美